お客様とのコミニュケーションによる希望する標本製作依頼の当店の対応について。
お客様の標本製作に関する専門的な技術内容やお客様の質問や疑問に対して丁寧に対応しています。
それによりお客様も安心して標本製作依頼をすることが出来ます。
今回紹介する内容は、事例としてこれから標本製作依頼をするレベルの高い標本を希望する皆さんの参考になれば幸いです。
標本製作依からの流れを時系列に内容を紹介します。
目 次
❏ステップ1
○当店WEBサイトから「標本作成依頼に関する問い合わせ」がありました。
当店ではお客様から標本製作の希望する内容についてメールによるコミニュケーションを取りながら意思の疎通を明確にしています。
作成依頼にあたって、いくつか質問をさせていただきたく問い合わせいたしました。
①自分で所有しているドイツ箱へ標本を納めていただきたいのですが、可能でしょうか?(ドイツ箱のサイズは25×20×高さ7cm)
②自分のドイツ箱でも可能な場合、発送ではなく、直接お店に持ち込ませていただいても良いですか?(万が一の破損がないように)
③標本ラベルは自分で作成したいと考えておりまして、不要とさせていただいても良いですか?
④こちらで作成した標本ラベルを、一般的な標本のように、標本とペフ板の間に針で固定していただくことは可能ですか?
⑤大切な標本なので、半永久的に保存できるようにしたいのですが、防腐処理などもしていただけるのでしょうか?
ちなみに依頼させていただく予定の昆虫は、アトラスオオカブト♂(約98mm)です。今月22日に亡くなり、すぐケースから取り出しました。
御社のホームページ記載の通りに乾燥させる予定だったのですが、大きいカブトムシは死臭がすごくなるとネットの情報で見たことがあり、家族もいるため、ひとまずジプロックとタッパーに入れて冷凍保存しています。
依頼させていただく際に画像を送信させていただきますが、今のところ腐敗や分裂などはありません。生きている時にフセツが4本欠落しましたが、全て回収して残っております。
○店回答
お問い合わせありがとうございます。
1.冷凍して取り出し後、腐敗が急速に進行するのでおすすめしません、また冷凍すると各接続部がユルユルになり、その後乾燥させても、もろいため標本用コーティング剤を塗って強化する必要が出てきます。
2.腐敗すると内臓がドロドロになり腹部を外して内蔵の除去作業が発生します。
死んで即、乾燥剤を入れて十分乾燥させると内蔵処理をする必要もありません。
3.下記に項目別に①~⑤について回答します。
①アトラスオオカブト1体のみ入れることで、加工前標本と一緒に持って来ていただければ大丈夫です。
②ご来店して持ち込みOKです。
③ご自分で製作した標本ラベルでOkです。
④標本ラベルも貼る位置をテープ等で示して、来店のさい一緒に持参ください。
⑤死んだ後と十分乾燥した後に酢酸エチルを注入します。完成後は防虫剤を入れます。
★サイズ的にミンダナオアトラスオオカブトでしょうか?
符節トレの修復は部位がすべて有り、細かく分断していない限り修復出来ます。
❏ステップ2
○お客様返事
早速のご返信、誠にありがとうございます。また、詳細にご回答くださいまして、ありがとうございます。冷凍処理については、知識不足で迂闊でした。帰宅後、すぐ取り出して乾燥させようと思います。
アトラスオオカブトの産地については、おっしゃる通り、フィリピン•ミンダナオ島です。
もういくつか質問させてよろしいでしょうか?
①解凍後の標本の状態についてご回答がございましたが、強化コーティング剤を塗っていただくことは、御社でも可能でしょうか?(ちなみに取れたフセツは冷凍せず、自然乾燥させてます。)
②早ければ今月29日に来店予約をさせていただき、標本依頼の品をお渡しさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
以上、お手数ですがご回答くださいますと幸いです。帰宅後、ホームページから標本作成依頼をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○店回答
コーティング剤での補強はしています。
ただし、状態が悪く腐敗が進行している場合は、補強か困難になり標本製作をお断りする場合もあります。★標本作成依頼のさい画像の添付お願いします。
アトラスの画像やコメントから標本製作が可能かの判断を致します。
※修復及び補強は製作費用にプラスされます。
❏ステップ3
○お客様から標本製作依頼内容
標本タイプ:平面的な標本1体
足トレなどの情報:フセツ4本欠落(左後脚のみ2回に分けて取れましたので、2つに分かれてます。)
死亡日:2022年10月22日
種類:アトラスオオカブト(フィリピン産)サイズ‥98mm
死亡して数時間後に冷凍庫へ保管。現在、ティッシュに巻いて、乾燥剤と防虫剤と合わせて乾燥中。
フセツは生きている時に取れたもので、取れるたびに回収し、自然乾燥しています。
参考となるかわかりませんが、このアトラスオオカブトは家に来た時からゼリーをまったく受け入れず、毎日バナナをあげて飼育していました。以上となります。よろしくお願いいたします。
ミンダナオアトラスオオカブト♂98mm表側
ミンダナオアトラスオオカブト♂98mm裏側
ミンダナオアトラスオオカブト符節トレ部位
○店返事
1.ミンダナオアトラスオオカブト♂の画像とコメントから⇒標本製作OKです。
後ろ足右のスパイク(トゲ)が欠損しているように見えますが、残してあります
か?スパイクについて参考画像を添付します。
※ 現物を確認して、状態が悪く製作が困難な場合はお断りする場合もあります。
2.当店で強力乾燥剤で乾燥させます。
乾燥には2週間ほど掛かります、その後の標本製作になります。
○お客様返事
スパイクの件ですが、残念ながら残っておりません。取れていることに気づきませんでした。
もし移植可能であればお願いさせていただきたいです。もし不可であれば、そのままで作成してくださって大丈夫です。
❏ステップ4
○お客様再度の質問
先程のスパイク参考画像のヘラクレスオオカブトを見て気になったのですが、御社での標本作成は、上翅から昆虫針を刺して標本箱に固定するのではなく、接着剤かなにかで固定するのでしょうか?
あともうひとつ大切なことを聞き忘れたのですが、持参するドイツ箱に標本を収める際、アトラスオオカブトを右端に寄せて収めていただきたいのですが、可能でしょうか?(将来的に真ん中にコーカサス、左端にモーレンカンプオオカブトの標本を収めて、1箱に3種類のカルコソマ属標本が入るようにしたいため)何度も質問してすみません。
○店返事
1.標本製作依頼はネットからの依頼が多く、通常右側の羽に昆虫針を刺し固定する方法では、固定が弱く到着時に標本が壊れる事故発生していました。
そこで標本の裏側の腹部に太い標本針刺し、白色ウレタンに刺すことでしっかりと固定することが出来ます。そのため標本を移動するさい針を外すのが難しく標本箱に標本を増やしてバランスを取るため後から標本を移動させるのが難しくなります。
2.標本箱に3体入れるのであれば、3種揃った時点で依頼するのがベストだと思いますが、無理であれば、標本を右羽に針を刺し標本を製作しますので、1体目のアトラスオオカブトは紙テープなど貼り指定した場所に固定します。当然移動することが出来ます。
2体目以降は標本はこちらで製作可能ですが、タッパーなど用意していただければそれに完成した標本を入れお渡しします。標本箱への固定はご自分で行ってください。
○過去製作の標本画像を参考に送信
当店の展示標本「東南アジアに生息する大型カブトムシの仲間カルコソマ属」の画像を添付します。
3体並べるのにバランスを取るため何度も順番を変えたり、間隔を変えたり、結構何度も移動することになります。
東南アジアに生息する仲間カルコソマ属①
東南アジアに生息する仲間カルコソマ属②
東南アジアに生息する仲間カルコソマ属③
東南アジアに生息する仲間カルコソマ属④
○お客様返事
ご回答ありがとうございます。また、参考画像までご用意くださいまして、非常に勉強になりました。
残り2種のカルコソマを集めるのに、あと1〜2年はかかると思いますので、今回のアトラスオオカブトについてはご記述の通り、翅に昆虫針を刺していただき、ひとまずテープで固定しておくという方法でお願いしたいと思います。残り2種の依頼に関することについても、承知しました。
店させていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
❏ステップ5
○お客様要望
先日は来店させていただき、誠にありがとうございました。写真で見ても美しく感じられた標本が、実際に間近で見ると、より美しく見えて、本当に生きているかのようでした。標本に関する様々アドバイスもいただきまして、とても楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
突然の連絡となってしまいますが、依頼させていただいてるアトラスオオカブトに関してもう一つだけ要望をさせていただきたいと思い、メールさせていただきました。標本の爪の開き具合についてです。
あれからネットで色々な標本を見ていたのですが、お店で展示されていたカルコソマ属3体のように、爪が大きく開いた姿の方がかっこいいな、と感じました。
もし可能であれば、お店の標本のように、爪を開き気味に作成していただきたいのですが、可能でしょうか?色々と要望させていただき、申し訳ありません。もしまだ間に合えば、何卒よろしくお願いいたします。
○店回答
先日はご来店いただきありがとうございます。
ツメの開は当初からカルコソマさ3種のようにする予定でした、但し、死んでから直ぐであれば問題なく開きますが、乾燥の状態によりどうしても開かない場合もあります。
持ち込み後、酢酸エチルで防虫処理をして現在乾燥中です、冷凍の影響は無いようです。
○お客様返事
ありがとうございます。
爪の開きの件、承知いたしました。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
冷凍の影響もないようで、安心いたしました。完成を楽しみにしております!
❏ステップ6
○ご依頼標本完成の連絡
この度は オオクワ京都昆虫館 へ標本作製依頼いただき誠に有難うございます。
製作依頼のミンダナオアトラスオオカブト♂平面標本完成しました。
ドイツ箱の白色ウレタンマットの厚みが5mmなので振動や衝撃で標本が外れる事が
あります注意ください。標本はテープで動かないように固定してあります。
標本ラベルは写真のように付けてあります。完成画像を4枚添付します。
ミンダナオアトラス♂98mm標本完成画像①
ミンダナオアトラス♂98mm標本完成画像②
ミンダナオアトラス♂98mm標本完成画像③
ミンダナオアトラス♂98mm標本完成画像④
○お客様メッセージ
お世話になっております。この度は標本作成、誠にありがとうございました。
本当に素晴らしい標本となっていて、感激しました!修復箇所もまったく違和感なく仕上がっていて、依頼して良かったと、心から感じております。
ラベルや爪の開き具合など、色々と要望させていただき、お手数をおかけしましたが、すべて理想通りのかたちとなっていて、受け取りに行くのが楽しみです!また、修復費のサービスまでしてくださり、ありがとうございます。受け取りについては来店させていただきたいと思います。
❏まとめ
○お客様来店受け取り後のメッセージ
お世話になっております。
先日依頼させていただきましたフィリピンアトラスの標本、本日無事に受け取りさせていただきました。とても素晴らしい標本をありがとうございました。展足の美しさはもちろん、茶色くなってしまっていた身体から緑色の光沢が戻っていて、まさに生き返ったようです。大切に保管させていただきます!次回、いつ頃になるかわかりませんが、コーカサスとモーレンカンプの標本依頼もさせていただきたいと思います。先日ご指摘の通り、このドイツ箱でカルコソマ3体は入らなそうなので、また別の標本箱を準備しようと思います。ぜひまたよろしくお願いいたします。
この度は誠にありがとうございました!
○店からお礼のメッセージ
無事受け取りの連絡ご丁寧にありがとうございます。
上翅は擦れて光沢が損失していましたので、全体クリーニング後、自然の光沢が
出るように復元しました。
喜んでいただき、心を込めて標本を製作した甲斐がありました。
また何かありましたら遠慮なくご相談ください。
今後ともよろしくお願いいたします。
○お客様レビュー(過去)
以下に過去のお客様レビューに関するページを紹介します。
興味のあるページありましたら是非、ご覧ください。
ノコギリクワガタのジオラマ標本について、心温まる感謝のお手紙をいただきました。
標本製作依頼を受けるようになって、4年目を迎え、皆さんが大切に育てた思い出のクワガタ、カブトムシが死んでも、プロの技術で綺麗なジオラマ標本にすることが、世の中の皆さんに感謝感激・喜んでいただけて、社会に貢献出来ているとても良い仕事に巡り会えてたと実感しています。
年賀状もいただき、ジオラマ標本を製作した側として、今後の標本製作を継続するためのモチベーションの向上に繋がり、こらからも感謝される標本作りに努めたいと思います。
オオクワ京都昆虫館が製作したジオラマ標本について感謝のメッセージをいただきました。
お客様が愛情もって飼育され死んでしまった、オオクワガタ♀の標本製作依頼から完成して発送到着までのやり取りを対話方式で紹介します。
お客様がオオクワガタメスに名前を付けて愛玩ペットとして、大切に飼育していました。
死んでしまって悲しく生前の思い出を残したく当店へ標本製作依頼をされました。
当店のお客様が希望する標本製作依頼について標本製作の流れについてステップ毎に紹介します。
お客様の標本製作に関する専門的な技術内容やお客様の質問や疑問に対して丁寧に対応しています。
それによりお客様も安心して標本製作依頼をすることが出来ます。
今回紹介する内容は、事例としてこれから標本製作依頼をするレベルの高い標本を希望する皆さんの参考になれば幸いです。
標本製作依からの流れを時系列に内容を紹介します。
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