ジオラマ標本 戦いシリーズ

ミドルタイプのジオラマ標本製作依頼

Home » お店のブログ » 標本製作記事 » ミドルタイプのジオラマ標本製作依頼

お客さまから戦いシリーズのジオラマ標本製作依頼を受けました。

常連のお客様からコーカサスオオカブトとセアカフタマタクワガタの生体を購入いただきましたが

、死んでしまったので戦いのイメージでジオラマ標本を作って欲しいという依頼があり製作しました。

その製作の様子をご紹介いたします。

ジオラマ標本はミドルタイプケース(幅 210mm 奥行150mm 高さ165mm)を使い戦いの場面を再現して行きます。

[outline]

1.ジオラマ標本製作準備

■ 死んだ後の保管状態により下記①~③の場合標本製作が難しくなります。

①腐ってしまい、バラバラ状態または壊れやすい状態。

②寄生ハエのウジが湧いてた状態。

③標本を食する害虫が寄生している状態。

製作依頼を受けた加工前標本コーカサスオオカブトとセアカフタマタクワガタのペアは大変保管状態が良くこれだと短時間に加工製作が可能です。

コーカサスオオカブトは前足が1ヶ所取れています。

ジオラマ標本にするセアカフタマタクワガタのペア

セアカフタマタクワガタのペアメスの後ろ足が1ヶ所欠損しています。

2.ジオラマ標本作製開始

■ 大きなコーカスオオカブトから製作加工を始めます。

コーカサスオオカブトの汚れを取り去ります。

生きているときの汚れが付着していますので、全てキレイに取り去ります。

コーカサスオオカブトに軟化剤を塗り足が動くようにします。

乾燥してカチカチに固まったコーカサスオオカブトに軟化剤を塗り6本の足が自由に動くようにします。

コーカサスオオカブトを固定するヶ所に穴を空ける

流木にコーカサスオオカブトを固定する位置決めをして、ドリルで穴を空けます。

コーカサスオオカブトを流木に固定します。

金属ピンを使いコーカサスオオカブトを流木に固定します。

取れていた足も修復し、中足と後ろ足を4ヶ所固定します。

■ ジオラマ標本を作る上で大切なことはミドルタイプケースに流木を置き標本を置いた時のレイアウトを決定することです。

自然の雰囲気を醸し出すことを考えて製作を進めます。

セアカフタマタを流木に置き位置決めする

戦いのイメージを考えて、軟化させたセアカフタマタを流木に置き位置決めします。

セアカフタマタを流木に固定します。

位置決め後、金属ピンで体を固定して6本の足を流木に固定して行きます。

ジオラマ標本の裏側

ジオラマ標本を反対の裏側から見ても固定・レイアウトが不自然さなど問題ないように製作します。

セアカフタマタのメスを固定します。

セアカフタマタのメスを固定します。

そのさい欠損している足が見えないように奥側に配置します。

3.最後の仕上げ

■ ジオラマ標本は展示したり、自分の机にディスプレイしたり、きれいに末永く飾るのも楽しみのひとつです。

そのための最後の仕上げについて説明します。

乾燥剤を入れ標本を乾燥させ劣化を防ぐ

名前プレートに乾燥剤を付け標本を常に乾燥させることで劣化を防ぐことができます。

更に酢酸エチルをお尻から注入して逆さまにて標本全体に浸透させ害虫を駆除します。

標本の名前プレートを付ける。

ジオラマ標本の中身が判るように標本の名前プレートを付けます。

4.まとめ

■ 大切に飼育した思い出のクワガタを生き生きとジオラマ標本にすることで「今にも動き出すが如く」再生することができます。

今回、加工前の標本の状態がとても良く、大事にしていたことがよくわかります。

依頼されたお客様も出来上がりに満足いただき大変よろこんでいただけました。

まだヘラクレスやゾウカブトなど飼育されているようですが、死んだらキレイに標本加工して欲しいというお話がありました。

状態の悪い加工前標本でも修正しながらキレイに標本加工することも可能ですが、やはり製作に時間が掛かるのでどうしても制作費が高くなっていまいます。

ですので死んだら即テッシュペーパーに隙間無く包んで、乾燥剤を入れた容器で1ヶ月ほど乾燥させれば保存状態が良く短時間で製作が可能になります。

今回は加工前の標本の状態がとても良く約3時間ほどで完成させることが出来ました。

▶当店のGoogleプロフィールマネージャー情報発信していますこちらから!!


◎標本カテゴリページリンク

以下に標本に関するページを紹介します。興味のあるページありましたら是非、ご覧ください。

ジオラマ標本キットを活用して、自らジオラマ標本を作製しよう!!

皆さんが自ら、ジオラマ標本を製作出来るように、開発された、当店オリジナルのジオラマ標本キットを紹介します。
ジオラマ標本キット12種類については、展示ケース型と造形流木の組み合わせについて判りやすく詳細を説明します。

当店のキャッチコピー「ジオラマ標本キットを、活用することにより、皆さんが大切に育てた、思い出のクワガタ、カブトムシの標本を、生き生きとした、リアルな展示品として、自ら製作することが出来ます。」

YouTubeチャンネル①

オオクワ京都昆虫館のYouTubeチャンネルを公開しました。

お客様からジオラマ標本を自ら作りたいという、要望にお応えするため、現在当店ですすめているのが、ジオラマ標本製作キットの販売です。
その前段階として、製作手順や方法を説明した動画を公開しました。

大阪インセクトフェア2024b

今年のインセクトフェアin大阪 2024は、たくさんのお客さんで大変賑わっていました。

昆虫イベントのレンタル用として、掘り出し物標本をインセクトフェアで仕入れてきました。
インセクトフェアの開催日は毎年日曜日でしたが、今年は3月20日(水曜)祝日、お店もお休みでもあり、じっくりと時間を掛けて標本を見定めて仕入れることが出来ました。

コノハムシ

昨年に引き続きインセクトフェアin大阪 2023へ行ってきました。

昨年に引き続き大阪で開催されるインセクフェアin大阪へ急遽行くことになりました。
今年はコロナも終息に向かっていることもあり、春から夏に掛けて昆虫イベントの問い合わせや依頼が各所から来ています。そこで、昆虫イベント展示用に貸し出す(レンタル)昆虫標本の数も大幅に不足することが決定的なので、不足分を補う必要があります。
そのため完成した出来上がりの昆虫標本を仕入れることを目的に今回インセクトフェアに行き仕入れることになりました。

DHヘラクレスオオカブト♂147.3mmパターンG-6

完成した標本を送るさいの当店の対応内容など判りやすく動画で説明しています。

お客様からパターンGの平面標本の製作依頼があり、完成したのでお送りしましたところ梱包を開けるところから当店の注意書きなど細かく紹介していただきました。

これから標本製作依頼される皆さんに当店の取り組みあ判りやすく参考になりますので、当店ブログに掲載することになりました

ヘラクレスオオカブト♂158mm,♀72mmペアのジオラマ標本d

重度に破損したお客様の大切なヘラクレスオオカブトの標本修復ついて

お客様が大切に最後まで飼育して死んでしまった珍しブルー個体、ヘラクレスオオカブト♂158mm,♀72mmのペアについてパターンDのジオラマ標本の製作依頼がありました。

届いた状態はとても悪く、かなり重度に破損して細かく分断しており、修復はジグソーパズルのようで難しく、元通りにするのは不可能と思いましたが、何とか全ての修復は完了しました。

○ 2017年10月24日 クワガタ、カブトムシ 標本を作る|素人のための標本修復 教室